人類学会の誕生 -明治時代(『日本の人類学』)

日本における自然人類学の歴史について,個人的な覚え書きです.
ストーリーの構成や内容は [1] を参考にしています.
(よくまとまった読み応えのある本ですので,機会があればぜひご覧になってみてください.)
間違いや誤植などあるかもしれませんので,十分にご注意ください.

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■人類学会の誕生
1884年,日本人類学会の前身である「じんるいがくのとも」が発足 [2].
草創期の東京大学理学系の職員と生徒がメンバーで,中心となった坪井正五郎は当時20歳の学部生で,「ゆくゆくは古今内外を問わずすべて人類に関する自然の理を明らかにする」と述べている.
ちなみに,世界最古のパリ人類学会は1859年,ロンドンは1863年発足.


坪井正五郎 [3], [4]
日本の人類学や考古学の創設に関わった.人と業績についての詳細は[3]および[4]に.
大学予備門時代から作成していた回覧紙や,夜話会(知識交換,演説練習,懇親和楽が目的)が,学会創設の遠因になったらしい.
学科はおろか人類学の教員もいない時代に,ひとり人類学専攻のために大学院入学を許可された.時の総長の好意にもよる.卒業後はそのまま助手となり,その後3年間英国に留学する.


■江戸時代からの古物研究
ひとつは,大学派と呼ばれた坪井たちのグループ.
もうひとつは,博物館派と呼ばれたグループ.こちらはすでに財力を蓄えた有力者が多く,美術品などを扱い,華やかな上流的雰囲気だった.

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参考
1 寺田和夫. 1981 (初版), 『日本の人類学』, 角川書店, 東京.
2 日本人類学会の歴史 (日本人類学会) http://wwwsoc.nii.ac.jp/jinrui/about_society/history.html
3 坪井正五郎 (Wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%AA%E4%BA%95%E6%AD%A3%E4%BA%94%E9%83%8E
4 坪井正五郎資料 (東京大学大学院情報学環・学際情報学府 文化資源統合アーカイブ) http://cr-arch.chi.iii.u-tokyo.ac.jp/hdadb/collections/shogoro.html